主に、オンラインTRPGシルバーレインの「あまの兄姉妹」、エンドブレイカー!の「シュルツ・ウェイド」の日々の日記(仮プレとかも)を気が向き次第記入するところ。 気が向いたら更新なので毎日というわけではない。
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Sirver Rain IF Another despair ~それがかの兄妹の選択~
2007-10-04 Thu 01:05
今回はインターバル期間を置き過ぎて割りと焦ってしまったせいか、
結構早足気味に過去編のあまの兄妹の物語が進みます。

クォリティがめっさ下がってるかも……。
一応、誤字、誤記のチェックはしてありますがもしかしたら修正が入るかもしれませんorz


【20XX年 封鎖特区 横浜】
始まりにして終わりの地、鎌倉。
世界結界はもはや意味をなさず、
敵性来訪者の来襲、そしてシルバーレインによるゴーストの発生により荒廃した地。
そのすぐ隣に存在する特区。
終末のお隣さん、とも揶揄されるもう一つの封鎖特区。
【封鎖特区・横浜】
この物語は、世界の終りの一歩手前で紡がれる。
伊勢原市 AC本社ビル
世界結界が壊れて間もない頃、世界各地でゴースト被害が爆発的に拡大し始めた時期の事だ。
ゴースト被害の拡大と同時に窮地に立たされた企業の1つAC。
この企業には2重の危機が襲い掛かっていた。
ゴースト被害による経営危機、そして───
「こんなふざけた要求っ!!」
冬美が珍しく激昂した様子で何枚もの書類を机に叩き付けた。
その様子を見ていた夏優は叩きつけられた書類を一瞥する。
その内容は色々とまどろっこしく書いてあるが、要約するとこうだ。

『ACに所属する能力者は政府に忠誠を近い、イグニッションカードを譲渡せよ』
『政府の指示があるまで、無用の外出を一切禁ず』

「こんな要求、呑めるはずが無いわっ!
 タダでさえ市街への被害が拡大していると言うのに、政府は何を考えているの!?」
怒りを顕にし、そういう冬美。
夏優は怒りを顕にする冬美に対し、意外なほど冷静に書類を拾う。
(なるほどね…こりゃ……本格的に不味い事になり始めてるな。
 政府の奴等、遂に能力者に目を付け始めたか……)
先日も能力者の居た結社が『テロ鎮圧』を大儀に掲げて襲撃されたと言う。
地区が地区だけに、今は懐かしいあの場所、苦楽を共に過ごした友、ライバルだった男そして──。
ソコまで考えて頭を振る。
「冬美、とりあえず落ち着け。
 感情を猛らせて正常な判断が出来ないようだと──あの時と同じかそれ以上に不味いぞ?」
あの時──それは冬美とさつきが海部野家の上層部、元老院の奴等に捕まった時。
その後、二人に何があったかは大体の察しは着く。
かつて、幼い時分に夏優が受けてたのと同じコト。

今、政府が行ってるであろう事を行われたのだろう。

能力者の解析と実験。

それに至った経緯は、油断と怠慢。

───思考中断、過去を顧みる前に懸念事項の解消を優先する。
夏優は過去へと遡り始めた思考を押し止めて、成すべき事を模索し始めた。



「冬美、政府は準備が終われば直ぐに次の『凶悪なテロリスト』を潰しにかかるだろうな」
「えぇ、遺憾ながら私もそう思いますわ」
冬美の顔には夏優とは違い、苦いものが滲み出ている。
「先ずは情報の収集から始めよう。
 木漏れ日の館のこと、気になるんだろう?」
冬美は夏優の言葉に反応して自分の机の上をさりげなく見る。
そして、机の一角に女の子らしい便箋と手紙、それと招待状と書かれたカードが3枚。
招待状に記入されている日付は先日──奇しくも、寮つき手芸部創立記念パーティーの日だった。
そして、木漏れ日の館がある地区で『テロ鎮圧』のニュースが流れたのもその日である。
詳細な情報は報道規制が流れているせいか伝わってこない。
ネットによる情報も曖昧な物ばかりで確証には至らない。
だが、推測には十分だった。
木漏れ日の館が政府の特殊部隊に襲撃され、対処することもできないまま壊滅させられた──と。

とにかく、遅すぎるだろうが確認を行う必要があった。
「兄さん、お願いがあります」
「寮の様子を見て来い──か?」
冬美は夏優の言葉にコクリと頷く。
「例え、そこに残酷な真実しかなくても、真実を知らなければ判断は下せません」
「そうだな…。
 どのような事実があろうと、進むためには知る必要があるかも知れない。
 わかった、行って来よう。今回はさつきも連れて行く、良いな?」
「えぇ、構いません。さつきも寮の事が気になっているでしょう。
 どのような結果が待ち構えているにしろ」






「にしても、一々面倒なもんだな」
夏優はそう愚痴りながら軽自動車を走らせる。
彼はあの後、冬美の提案で変装をしてAC本社ビルから自身のセーフハウスまで移動をした。
そして、セーフハウスで待たせていたさつきと一緒に寮に向かっていた。
勿論、さつきも変装をしている。
「お兄ちゃん、この格好はやっぱり胸がきついよぅ」
「諦めろ、俺も胴回りがかなりキツイ」
さて、ここで二人がどんな格好をしているか説明しよう。
ぶっちゃければ、女装と男装である。
夏優は軽く化粧をした上で長い髪の毛を整えて髪留めで後ろ髪をまとめ、コルセットを巻いて腰を細く見えるようにし、胸パッドを入れた上でブラウスとロングスカートを履いている。
さつきは胸にさらしをキツク巻きつけて胸を目立たなくした上で夏優のGジャンとGパンを借りて着込んでいる。
長い髪の毛は目立つので夏優が切ろうと提案したが、さつきは切りたくないとごねたので仕方なくGジャンの内側に入れると言うことで妥協させた。
夏優は元々普通にしていれば中性的な顔立ちであったため、見た目は20代の女性そのものであった。
さつきは帽子を被って顔も体形も隠しているため、一目見ただけでは少年と勘違いされるであろう。
「あの噂がウソだと良いんだけど…」
「あぁ、そうだな」
さつきは化粧を施した兄の顔を見る。
その顔は眉間に皺が寄り、最悪の事態を想定していることが容易に想像できた。
「お兄ちゃん──眉間に皺寄ってるよ、そんなんじゃ、お化粧した意味なくなっちゃうよ」
違う、本当はもっと励ましになることが言いたかった。
『寮のみんなは大丈夫』『ヒカルお姉ちゃんだもん、絶対無事だよ』とか。
だけど、空々しい言葉遊びをする気分にはどうしてもなれなかった。
「ん──あぁ、しまったな…表情に出ちまってたか。
 っと、着いたぞ」
キキッと軽いブレーキ音を鳴らせて、軽自動車は木漏れ日の館から近い位置にある駐車場に止まった。


夏優とさつきは車内でイグニッションを行い。
次に夏優が闇を纏った状態で、物陰に隠れつつ寮の周辺の偵察を行う。
「……既に、政府の部隊は完全に引き上げた後か」
念の為に闇纏いをしたまま監視カメラ等のありそうな場所を確認するが、政府が設置した痕跡はどこにも見受けられなかった。
周辺の安全確認を終えた夏優はさつきに無線機で安全を伝え、庭の中まで来るように指示する。
そして、自身は寮の本館に入っていく。
途端に、嗅ぎ慣れた鉄の臭いに眉を顰める。
そして、この場所でどのような惨劇が起きたかも悟る。
「チッ」
舌打ちをして、自身の中に湧き上がる感情を殺す。
ホールには黒赤の絵の具をぶちまけたかの様な跡と銃弾に拠る弾痕が至る所に見受けられた。
死体や遺品が見受けられないと言うことは、研究用に回収した、と言うのが妥当な線であろう。

次に、学生時代に良く利用した談話室に向かう。
そこはかつて、友と語り合い、ふざけ合った場所の一つだった。
だが、談話室に向かうとドア事態が破壊されていた。
破壊の跡は焼け焦がしたような、或いは吹き飛ばしたようなその様な痕。
(ショットガンやグレネードでも使ったって事か? チッ、容赦無しだったって事かよ)
自身も多用する武装だけに想像するのは容易であった。
そして、談話室の中を見渡す。
談話室の中はホールと同じく、血と弾丸がぶちまけられた痕しか残っていなかった。
その他の部屋も同じように惨劇の痕跡しか残されていなかった。
「酷い…酷過ぎるよ!みんな、おんなじ人間なのに!何でこんな酷いことできちゃうのよっ!」
いつの間にか夏優と同じように本館の中に入っていたさつきの慟哭が夏優の耳に届いた。
それを無視して、更に部屋をめぐり、調理場に辿り着いた。
そこもまた、惨劇の痕が残っていた。

テーブルの上には腐りかけのケーキがあり、誰かが潰し、手で掴んだような痕が残っていた。
潰されたケーキの上には『木漏れ日の館創立  年おめでとう』のチョコレートの板。
さしてここ数日、涼しい日が続いていたからか解け崩れる事無く残っていた。
それをみて、かつて祝った寮の創立記念の日や日々の思い出が脳裏を過ぎった。
自分達兄妹が居て、夏優が一目惚れした月宮ヒカルがいて、恋敵だった帯刀翔護が居て、そして多くの友が居た。
本来であれば、数日前に嘗ての、そして今の寮生が一堂に会して賑やかなパーティを行い。
そして『また今度』といって次の来訪の口約束をしていたのであろう。

「───チッ」
頭を振って思いを締め出す。
感情で行動してしまえば、自分が良くても自分に関わる誰かにトバッチリが及ぶことは十分に理解していた。
押し殺した感情の後には不快感だけが胸に残った。


帰りの車の中で、さつきは夏優に言う。
「お兄ちゃん…これから、どうするの?」
さつきが夏優に唯一つの答えを期待した様子で問う。
「先ず、さつき…俺たち能力者の体ってのは格好の研究材料だってのは解ってるな?」
「………うん」
そう、その事は他ならぬこの兄妹には身に沁みている事実だった。
「俺はああいった事を赦す心算は無い。
 だが、今無策に動けば俺たちは愚か、ACそのものが危機に立たされる。
 だから、今は情報を集める。
 さつき、お前にも俺の過去の伝手の使い方を教える。
 そこから情報収集を手伝ってくれ、やれるな?」
「うん、まかせてよ!」
この日から、夏優とさつきは表と裏、両方の社会の情報を集め始めるのだった。
全ては、捕らえられた、或いは殺されてしまった友の為に。



夏優達が木漏れ日の館へ調査に向かっていた頃、AC本社でもまた動きがあった。
冬美が政府役人とTV電話をしていた。
「……えぇ、そうです。
 ACは自社に所属する能力者のイグニッションカードを政府にお預けします。
 ですが、条件がありますわ」
冬美のその言葉に役人は眉を顰める。
『…ふむ、なんでしょう?』
「我が社では能力者と被能力者の混成の傭兵部隊があることはご存知ですわね?」
役人はフムと頷いてから言葉を選ぶ。
『…えぇ、貴社の傭兵部隊は国内の各地の守備で雇われる事も多いですな』
役人の言葉に頷き、冬美は更に言う。
「えぇ、そうです。
 そして、今回の様に政府にイグニッションカードを預けてしまっては傭兵部隊の運営が侭なりません。
 そうなってしまいますと、ACは勿論、傭兵部隊に所属する社員の半数以上が職を失ってしまいますし、今まで辛うじて維持してきた戦線も大きく後退してしまわれる可能性もあるでしょう。
 それは企業の責任者として、この国に住まうものとして絶対に避けたい所です」
『フム…まぁ、そうでしょうな』
役人はそう返す。
「ですので、政府の直轄で傭兵部隊を雇ってもらえませんか?」
『フム…そうですか。
 …………。
 ………。
 …は?』
役人は少し驚いた表情で問い返す。
「現在、ACの傭兵部隊は各地域に存在する一部の警察、または自治体…民間組織に雇用されて各地域で地域の防衛、ゴーストの掃討を行っております。
 ですが現状では、政府、AC、そして他の組織も含め小さな地域に目が行っていないのが実情です。
 そして、政府、AC、その他の組織は今まで連携が取れてきませんでした。
 そこで提案があります。
 この機会に各組織が連携できる様に呼びかけてはどうでしょう?
 我々が一番に望むべく事は、身内を潰すことではなく、この国の民を護る事なのですから」
そう言ってニッコリと微笑む冬美。
本音も言っているが、同時に皮肉を混ぜて言うのだった。


その後、数度の交渉を経て、ACは傭兵部隊を政府に雇わせる事と政府からの要求を撤回させる事に成功している。
これにより、ACは政府の情報を探る機会を得たのという事でもあった。
だが、それは政府も同様である。
政府は傭兵部隊の戦闘データと開発されたばかりの機動装甲服のデータの少量とはいえ得てしまうだろう。
「能力者と実働間もない機動部隊のデータを取られるのは望ましい事態ではありませんが…。
 コレばかりはどうしようもありませんね」
寧ろ、企業と社員、そして地域住民が狙われる可能性が落ち、そして手の届かなかった地域に手を伸ばせるようになるのだ。
今回の決定は決して悪い物ではなかっただろう。
更に雇用契約によって政府からは契約金と一部の非能力者でも扱える対ゴースト兵器の生産ライセンスも結ぶことが出来たのだ、営利企業としてもこれで体裁は保てるだろう。
「後は……。
 彼女達の情報を得られるかは兄さんとさつき次第ですわね」
夏優は部隊を率い、各地を転戦しながら情報収集と人脈構築を行い。
さつきは夏優の過去の伝手(裏社会からの情報や人脈)を利用してそっち方面からの探りを入れている。
「今は、それぞれが自分に出来る最善を尽くすしかありませんわね」
冬美は自分のデスクに飾ってある、学生時代に撮った手芸部の集合写真を眺めながらそう呟くのだった。


夏優と冬美、そしてさつきに過去の友人から連絡が届くのは、この2ヵ月後の事であった。
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