主に、オンラインTRPGシルバーレインの「あまの兄姉妹」、エンドブレイカー!の「シュルツ・ウェイド」の日々の日記(仮プレとかも)を気が向き次第記入するところ。 気が向いたら更新なので毎日というわけではない。
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とある終わりと始まり・2
2007-03-24 Sat 21:46
ソレは、言ってみれば実験動物のようなものだった。

海部野という家に置いて、現在で言う所の能力者と呼ばれる強力な力の持ち主はソレ一つだけだった。
ソレを産み出した人形は、人形となった時点で能力者としての力を失っていた。

能力の発現はソレを生み出した人形の血を継いでいるからなのか。
それとも、突然変異のようなものなのか。
元老院達は人形の時のように能力を失わせないことを基準に、
ソレに日夜実験を執り行っていた。


ソレはこの世に生を受けて以来7年間、一つの座敷牢と実験室を行き来するだけだった。
ソレの知る事はほんの少ししかない。

人形と呼ばれる人間が自分に食べ物を与える。
くさい息を吐く皺くちゃの人間が自分の体を引き裂き。
暗い座敷牢が自分の棲む世界であるということ。



ソレは床に届くほど長い髪を持っていた。
ソレの容姿は男子とも女子ともつかない中性的な顔たちをしていた。
だが、その幼い顔には何の表情も写っていない。
望むべき願いを知らなければ、絶たれるような願いもない。
発するべき言葉を知らなければ、呪詛を呟く言葉もない。
ただ、それは常に淡々としていた。

この時点で、ソレが知っている事といえば食事の仕方…箸の使い方と食器の意味、後は布団とソレが今来ている浴衣のような衣装ぐらいだ。
なぜ、それらを知ったかといえば、人形が教え込んだのだ。
人形のルーチンに組み込まれた行為ではなかったが、老人達はさして問題とはしなかった。


「ギア─────ァアアガッ!?」
ソレは何時もの様に実験室でさまざまな器具で拷問のような実験を行われた。
そして、ソレは何時ものように痛みに耐えかねて失神していた。
「ふむ…ソレから採れる情報は最早ないのう」
「では、どうするんじゃ?」

「まだ、ソレで試していないことがあるでしょう、ご老体」

元老院の老人達がどうするかと考えていた所に、一人の男が現れた。
海部野家の党首となった、海部野誠一だった。
しかし、8年前の…祥子に連れ去られる前の彼とは様子が違った。
余りにも邪気を感じさせる笑みを浮かべているのだ。

そして、彼はソレをソレと呼んだ。
彼の血を分けた息子である。


海部野夏優を、だ。



「ふむ…そういえば、まだ血統に関する実験は完了しておらんのう」
誠一は我が意を得たりとニタリと哂う。



数ヵ月後、一人の少女が能面のような無表情の侍女に連れられて屋敷の最奥にある座敷牢までつれてこられた。
少女が侍女に付き従う理由は、母を悲しませないためだ。
父は私を使って実験をすると言っていた。
母はその決定に反発した。
元より絶対的上位者である父に母の意見は通らなかった。
そして、父が母に何事かを呟いた。
母の顔は驚き、そして一瞬だけ喜び───直ぐに絶望へ変わった。
その後、母は父と交渉しようとしていたが、全て徒労に終わったようであった。

「此処で実験をなさるのですか?」
「………」
無表情な侍女…周囲からは人形と呼ばれ、そして確か母からは──。
「奈津子さん。答えてください、此処で私はどのような実験を行われるのですか?」
しかし、私の言葉に侍女…奈津子さんは答えることなく座敷牢を空け、私を中に入れた。
そして、



ソレが生まれて7年と4ヶ月。
遂にソレはヒトと出遭った。

ソレである日々が終わり、ヒトとしての日々が始まる。
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この記事のコメント
あとがきっぽい何か
相変わらず稚拙な文章を読んでいただき、ありがとうございました。

今回は夏優が実験動物からヒトになる。
それが主題のお話です。

実は、結構内容を飛ばしてます。
奈津子さんがどうして人形と呼ばれてるとか。
誠一(夏優&冬美の父)が悪人らしい悪人にどうしてなった、とか。
まぁ、かなりのイキオイで飛ばしてます。

訳がワカラン!と思われるでしょうが、詳細は後々判るようにお話を進めていきます。

では、今回はこの辺りで失礼します。
2007-03-24 Sat 21:56 | URL | あまの兄妹の背後 #-[ 内容変更]
いやいやいや!
その「見せない」というのも一つの技法!
焦らされた分だけ明かされた時のカタルシスは大きくなるのですよ!
………それはともかく、悲惨だなぁ。
2007-03-25 Sun 21:21 | URL | 鳳凰堂の中の人 #-[ 内容変更]
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