主に、オンラインTRPGシルバーレインの「あまの兄姉妹」、エンドブレイカー!の「シュルツ・ウェイド」の日々の日記(仮プレとかも)を気が向き次第記入するところ。 気が向いたら更新なので毎日というわけではない。
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とある終わりと始まり・・・1
2007-01-27 Sat 13:38
何も無い黒の部屋。
そこには明かりも無いのに一人の男が居た。
彼の者は明かりを受けずとも、輪郭がはっきりと見える。
だが、顔は見えない。
ここはそういう空間、そういう世界。

男は誰に言う訳でもなく、虚空に向かって語り始める。

今回語られるのはかつて、能力者のための銀誓館学園がまだ発足していないとき。
能力者たちが独自のグループ、組織を作り、連携が取れていなかった頃のことだ。

これは、彼に関わる人々の終わりに向かう物語。
これは、彼の物語が始まる前の物語…。


至極詰まらない話ですが───興味があるのならば、この道化の語りにお付き合い願いたい。

1988年4月
神奈川県厚木市、本厚木駅の高架下にて1体の犬と百足を合わせた様な不気味な妖獣とそれを追いかける一組の男女が居た。

「待ちやがれっ!そこの悪霊野郎っ!」
「誠一も私をおいていかないでよっ!」
男の名前は天野誠一、女の名前は神原奈津子。
二人は能力者のコンビだ。
売れない探偵で、能力など殆ど無い…あえて言うのなら霊視能力だけの天野誠一。
誠一の高校生時代の後輩で古い武術を受け継ぎ、魔を払う一族の奈津子。

「オラァアア!」
犬百足に追いついた誠一が長い胴体に向かって魔術文字(ルーン)を刻んだナイフで突き刺す。
「GAaaaAA!!」
「コレも受けなさいっ!」
奈津子が続いて追いつき夕日を思わせる色合いの大鎌を振り下ろした。
振り下ろされた鎌は、犬百足の頭部を正確に両断した。
そして、犬百足は断末魔の絶叫をあげながら、銀の粒子となって消え去って逝く。
「あいっかわらず威力高いよなー、その鎌」
誠一がナイフを仕舞いながら奈津子に言う。
「まぁ、ウチの一族の家宝だもの。
 それよりも誠一!もうちょっとわたしを労わる感情は無いの?
 こーんな可愛い恋人が頑張ってるんだよー?」
そういって奈津子は誠一の左腕に抱きつく。
「ん…まぁ、なんだ。 お前は頑張ってるよ。
 あぁ、うん。
 本当、俺なんかよりも大分強いしな」
照れが混じったか言葉で誠一は奈津子を誉める。
二人の関係は恋人であり、居候の男と家主だ。
「それじゃ、そろそろ帰りましょ?
 悠太も家でお腹すかせてるかもしれないし」
悠太とは奈津子の弟で、7歳の小学生だ。
誠一にも良くなつき、二人は本当の兄弟のようでもあった。

そして、二人が家路に着こうとしたところで和装の女が二人の前に立ちはだかる。
「ようやく見つけましたわっ!
 誠一様っ!」
血走った瞳をさせている和装の女の表情は、どこか狂気染みていた。
そして、その女に誠一は見覚えはあった…だが、あのような表情をみたことは無い。
「お前は……お嬢?」
お嬢と呼ばれた女の本名は海部野祥子。
誠一が海部野という一族と一方的に縁を切る前、彼の婚約者だった女だ。
そして、海部野の一族の次期頭首でもある。
誠一は目の前の祥子に違和感を感じていた。
かつての彼女は理知的であり、優雅であった。
今、目の前で見せるような表情を見せたことはない。

だが、そんな祥子を気に留めることなく奈津子が前に進み出て言う。
「なぁに、祥子さん。
 あなたまだ誠一さんを狙ってるの?
 わ る い け ど。
 この勝負は、わたしが勝ったんだからもう諦めてよ」
勝負とはすなわち恋の勝負。
誠一と奈津子、二人は実は翌週には結婚する。
もっとも、その結婚はいわゆるデキチャッタ婚なのだが。
奈津子は現在、妊娠3ヶ月といったところだった。
しかし、その割りに腹部は目立って膨らんでいるわけでもないが。

「フフ…もう、そんなことはどうでもいいんです」

コワレタ笑みを浮かべる祥子。
その笑みに二人はゾクリと悪寒が背を駆け上がるのを感じた。

「だって、本当に欲しいのなら、奪い取ってしまえばいいんですもの」

クスクスとワライながらいう祥子。

「え」
「あ」

祥子の足元から、縦横無尽に影が舞い躍る。
その影は二人の足を縛り上げるとそのままアスファルトの地面に転ばせた。
転ばされた際に、奈津子は家宝の鎌を影に弾き飛ばされてしまう。
「アハハ…」

「ぐっ!」
「きゃぁ!?」

影はなおも舞い踊る。

ハハハハハハハハハハハハハハ!!

舞い踊る影の中心で、誠一には祥子が狂った哄笑をあげながら涙を流しているように見えた。

そして、影は二人を十重、二十重に縛り上げ、ついには視界さえも奪い去る。



そして、彼と彼女の悪夢が始まった。

















数時間後。
何時までも帰ってこない姉、そして未来の義兄を心配して町を彷徨う少年が居た。
「おねえちゃーん!誠一兄ちゃーん!!」
少年は既に2時間以上、一人で姉達が向かった高架下を探していた。
少年の頭には既に最悪のエピソード…それが何度も頭を過ぎる。
既に涙目になって泣き出す寸前の少年は、視界の端に見慣れたものを見つけた。
夕日のような色合いをした、三日月のような刃を持つ大鎌。
銘は【幻想ヲ喰ラフ黄昏ノ月】。
先祖代々、神原の一族が受け継いだ幻想(ユメ)を喰らうもの。
そして、姉の愛用した武器…。

そして、少年の中で結論が弾き出された。

「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

幼い絶叫が虚しく響いた。
これが神原悠太の終わりであり、二人の後を継ぐと決めた天野悠太の始まりだった。
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この記事のコメント
あとがき
いつかやろうと思ってた、夏優とナツコ、そして正体不明だった父親の物語。

今回、初めて設定された奈津子の姓と弟の存在。
そして父親の名前。

今後も色々と明らかになるかもしれませんねー?
2007-01-27 Sat 13:56 | URL | 夏優の背後 #-[ 内容変更]
歪んでしまった愛の結末
…過去編ブーム…?

あ、いえ…ちょうどボクの方の過去編(と、言っても予告ですが;;)が書き終わったところで見つけたもので…


奈津子さん…不憫です(T_T)
うぅ、お兄様はお話が出来るので少し知っていたのですが…そのような過去が…

つ、続きは書くのでしょうか。
すっごく気になるのですが;;
2007-01-28 Sun 00:28 | URL | ヒカル #-[ 内容変更]
うおー!
うーん、相変わらず引きが上手いですねぇ。
この後の展開に期待が高まりますよ!

私は………過去編もですが、なーんか浮気しちゃいそうですよ。
いろいろとネタ仕込んじゃいましたしねぇ。
うーん、ままならなねーですねぇ。
2007-01-28 Sun 01:48 | URL | 鳳凰堂の中の人 #-[ 内容変更]
人生色々
>ヒカルちゃん
う~ん、ブーム…なのかなぁ?(苦笑)
実は虎鉄の過去話に当てられて発表が早くなったと言う密かなエピソードがあったり(ぁ)

奈津子さんに関しては…残念ながら既に過去の話であり、
彼女にこの時点での救いは一切ないんですねぇ…。

続きは当然書きますとも、書かないとこっちも完全燃焼できないですからね(笑顔)

>鳳凰堂の中の人
毎度毎度、誉めてもらえて凄く嬉しいです(うっし!とガッツポーズを決めてみたり(笑顔))

そちらの過去話もかなーり期待してますよ(ちょっとプレッシャーをかけてみる)
でも、浮気しちゃうのもアリかもしれませんねぇ(マテ)
とりあえず、自分から遅れる言葉は一つ!
【思い立ったが吉日!】

話のほうはFC2だからカテゴリ分けで簡単に検索できるからいくら幕間が入っても問題なし!
2007-01-28 Sun 02:11 | URL | 夏優の背後 #-[ 内容変更]
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